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2024.07.25

建設業に携わっている方は、
『500万円以上の工事をする場合には建設業許可が必要』
という話を聞いたことがあるのでは、と思います。
「建設工事をする場合には、必ず建設業許可が必要なのか?」
「許可が必要なのはどんなケースか?」
「許可を持っていないとどうなるのか?」
そんな疑問をお持ちの建設業者さんも多いと思います。
以下で、これらの点を一つ一つ見ていきたいと思います。
建設業許可については建設業法第3条等に定められています。
工事を請け負う際には土木工事業や電気工事業など、業種区分に応じた建設業許可が必要になります。
ただし「軽微な建設工事のみを請け負う場合を除く」とされており、一般的には「軽微な建設工事=500万円未満の工事」と認識されていると思います。
「軽微な建設工事=500万円未満の工事」という認識はほぼ正解ですが、建築一式工事の場合だけ少し扱いが違っています。
厳密には以下に該当するものが軽微な建設工事となります。
○建築一式工事の場合、工事1件の請負金額が1,500万円未満、または延べ面積150㎡未満の木造住宅工事
○建築一式工事以外の場合、工事1件の請負金額が500万円未満の工事
あくまでも「未満」ですから、500万円ぴったりの工事や500万円を超える工事はこれに当たらないことになります。
また、消費税の金額を加えると500万円を超えてしまう場合はどうなるの?と疑問に思われる方もいると思います。
具体的には次のような扱いになります。
建設業許可が不要となる500万円未満の工事ですが、請負金額は消費税を含めた額になります。
この点について税抜きの金額と勘違いしてしまうと500万円を超えてしまう恐れがあります。
例えば、税抜きで490万円だから大丈夫だと思って工事を請け負ってしまった場合には、税込みでは539万円になってしまうので、建設業許可がなければ建設業法違反になってしまいます。
税抜きで計算すると、実質454万円程度が請負金額の上限(消費税10%の場合)になります。
消費税の扱いには十分にお気を付けください。
また、請負金額を計算する際は次のような点にも注意が必要です。
請負金額が500万円以上にならないように、元請との調整で契約書を2つに分けて作成するケースが考えられます。
たとえば700万円の大工工事を400万円と300万円に分けて契約書を作成した場合、1回あたりの請負金額は500万円未満になるので、建設業許可がなくても問題なさそうにも見えます。
しかし建設業法には、契約を分割して請負うときは、各契約の合算額を請負金額とすると定められています。
やはり無許可で上記のような工事を請け負うことはできません。
また、以下のようなケースも軽微な建設工事とは認められません。
○工期が長く断続的に500万円未満の工事をしたが、合計金額が500万円以上になったケース
○工事業種ごとの契約はそれぞれ500万円未満であるが、それを合計すると500万円以上になるケース
○500万円未満の細かな契約が複数あり、合計すると500万円以上になるケース
工事によっては、元請などの発注者から材料を無償提供されるケースもありますが、請負金額は材料費も含めて計算するよう定められています。
また、材料の運送費用についても請負金額に含めて計算します。
たとえば工事自体の請負金額が300万円であったとしても、材料費が200万円、その材料の運送費が50万円であれば、合計金額は550万円となります。
したがって、上記のような工事は建設業許可がなければ請負うことができません。
500万円未満の請負金額であっても、以下の工事については都道府県知事等への登録や届出が必要になります。
○解体工事(解体工事業者登録)
○電気工事(電気工事業者登録)
○浄化槽工事(浄化槽工事業者登録)
解体工事を請け負う場合は、「建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律」に基づく登録が必要であり、都道府県知事へ申請して登録業者になる必要があります。
電気工事の請負については、建設業許可を取得していても電気工事業登録が必要です。
申請先は都道府県知事や産業保安監督部長など、営業所の配置によって変わり、登録業者として一定の人的・物的要件を満たしておかなければなりません。
浄化槽工事には浄化槽工事業者登録の他、浄化槽保守点検業者登録や特例浄化槽工事業者の届出が必要であり、各都道府県知事へ申請します。
建設業許可のない下請に500万円以上の工事を発注した場合、下請はもちろん元請の方も建設業法違反になってしまいます。
実際に工事をする下請だけでなく、発注した元請の方も建設業法違反となってしまう点は注意が必要です。
では、「建設業許可」をもっていないとどの様なことになるのか?実はいろいろな事が考えられます。
建設業許可を持っていない会社が500万円以上の工事を請負って行政側に摘発された場合は、建設業法違反として「3年以下の懲役または300万円以下の罰金」に処せられます。
また建設業法違反となった場合、以降5年間は建設業許可が取得できなくなるため、事業の存続にも大きく影響するでしょう。
仮に自社が元請で、無許可の下請業者と500万円以上の下請契約を締結をしてしまっても建設業法違反になり、下請と共に罰金や懲役の対象になりますので、注意が必要です。
また、未登録のまま電気工事を行った場合は、1年以下の懲役または10万円以下の罰金もあり、浄化槽工事については30万円以下の罰金が科せられます。
建設業許可だけを意識すると登録や届出に漏れが生じてしまうため、軽微な建設工事であっても法律や制度面の理解が必要になります。
建設工事には「民間工事」の他に国や地方自治体から発注を受ける「公共工事」というものがあります。
「公共工事」の場合、事前に建設業者で入札を行うのですが、建設業許可を持っていないと入札に参加することができません。
そのため、建設業許可を持っていない事業者は、公共工事を元請として請負うことができないことになります。
建設業法上、「軽微な工事」のみを行う建設業者の場合は、建設業許可が不要です。
法律上は許可を持っていなくても、軽微な工事に関しては問題なく工事を行うことができます。
しかしながら最近は、仮に軽微な工事であったとしても、取引先である元請会社から「建設業許可を取得しないと仕事を回せなくなる」と言われてしまうケースがあります。
法律上は問題ないとしても、元請会社としては様々なリスクを回避したいと考えるからです。
そのため、無許可の業者よりも許可を持っている業者を使いたいと思うのは仕方のないことだと思います。
仮にあなたが、自宅の軽微な内装リフォーム工事を業者に行ってもらう場合、見積価格も、工期日数も同等、担当者の接客態度もどちらも同等という2つの業者があった場合を考えてみてください。
片方の業者は建設許可を持っている業者、もう片方は建設業許可を持ってない業者です。
どちらを選びますか?
大半の方が、価格も工期も同じなら、許可を持っている業者を選ぶと思います。
これは、「許可を取得していることで社会的信用が上がっているため」と言えると思います。
建設業許可は様々な条件をクリアした業者でないと取得できません。
そのため、許可を取得することが社会的信用に繋がることは間違いないことだと思います。
建設業許可を取得すれば、請負金額の制限が無くなったり、公共工事の入札に参加できるなど、様々なメリットがあります。
近年は元請業者もコンプライアンス遵守を厳しくしているため、許可を持っている下請業者にしか工事を発注しないケースも増えているようです。
許可取得を検討されることを強くお勧めいたします。