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2024.07.01

建設業許可を取得した後は「決算変更届の提出」が必要だ、という話を聞いたことがある事業者さんは多いと思います。
決算変更届が必要なのは知っているけど、税理士さんがやっている決算報告と何が違うのか分からない、とお困りの事業者さんもいらっしゃるのではないでしょうか。
今回は、建設業許可の決算変更届を提出する際の注意点についてご説明していきたいと思います。
決算変更届という名前から、決算の内容に「変更」があった場合にのみ提出をすれば良い、と誤解されている事業者さんも多いです。
しかし、実際は変更についての届出ではなく、建設業許可を受けた役所に対して毎年行う決算報告のことになります。
つまり、許可を取得した後は、その許可を維持していくことが大切になってきます。
具体的には、建設業許可を取得した事業者は、毎事業年度終了後の4ヶ月以内に決算変更届を提出することが義務付けられています。
これを怠った状態で放置していると、「許可の更新」を受付けてもらえないので注意が必要です。
決算変更届(事業年度終了報告書)とは、建設業許可を取得した事業者が、毎事業年度終了後の4ヶ月以内に提出する決算報告書です。
税理士さんが毎事業年度終了後の2ヶ月以内に税務署に対しておこなっている税務申告とは違います。
あくまでも建設業許可についての決算報告になります。
そのため、決算変更届を提出する役所は、建設業許可を受けたときの役所になります。
例えば、群馬県知事許可を持っている事業者さんでしたら、群馬県庁の建設企画課に提出することになります。
忘れてはいけないのが提出期限です。「毎事業年度終了後の4ヶ月以内」に提出をしなければなりません。
万が一この4ヶ月以内という期限を過ぎてしまった場合、決算変更届とあわせて「始末書」の提出が必要となります。
「始末書」を提出したからといって何か不利なことがあるわけではありませんが、名誉なことでもありませんので、期限内に忘れずに手続きをするようにしましょう。
税理士さんの税務報告は2ヶ月程度はかかりますので、そのあとの実質2ヶ月間で準備をして提出します。
決算変更届(事業年度終了報告書)に必要な提出書類は以下の通りです。
①変更届出書(事業年度終了用のもの)
②工事経歴書
③直前3年の各営業年度における工事施工金額
④貸借対照表(財務諸表)
⑤損益計算書・完成工事原価報告書(財務諸表)
⑥株主資本等変動計算書(財務諸表)
⑦注記表(財務諸表)
⑧附属明細表(財務諸表)※1
⑨事業報告書(株式会社のみ提出)
⑩納税証明書(知事許可は事業税、大臣許可は所得税)
⑪使用人数※2
⑫建設業法施行令第3条に規定する使用人の一覧表※2
⑬定款※2
⑭健康保険等の加入状況※2
※1:株式会社で、資本金の額が1億円超であるもの又は直前決算の貸借対照表の負債の合計額が200億円以上である場合に必要となります。
※2:変更があった場合のみ必要となります。
この中で、少し手間がかかるのが④~⑧の財務諸表になります。
と言いますのも、税理士さんからもらう決算報告書は、そのまま建設業の決算変更届では使用できません。
からなず、建設業用に作成しなおさなければならないのです。
財務諸表を建設業用に作成する際の注意点についてご説明していきます。
税理士さんが作成した決算報告書がすべて千円単位で記載されいるのならば良いですが、そうでない場合がほとんどですので、すべて千円単位に直す必要があります。
例えば、1,000,000円(100万円)→1,000(千円)
1000円未満の端数は、四捨五入・切り捨て・切り下げなど、どの方法をとってもいいですが、端数処理は統一して表示するようにしましょう。
一般的に、税理士さんが作成する決算報告書の勘定科目と、建設業の決算変更届で使用する勘定科目は違います。
違いの例としては下記になります。
売掛金⇒完成工事未収人金
仕掛品⇒未成工事支出金
買掛金⇒工事未払金
前受金⇒未成工事受入金
棚卸資産、貯蔵品⇒材料貯蔵品
受取手付金⇒未成工事受入金
売上高⇒完成工事高
売上原価⇒完成工事原価
売上総利益⇒完成工事総利益
修繕費、管理費⇒修繕維持費
事務用消耗品費、備品・消耗品費⇒事務用品費
通信交通費、ガソリン代、発送配達費⇒通信交通費
水道光熱費⇒動力用光熱費
接待交際費、会合費⇒交際費
このように、税理士さんからもらう決算報告とは違う勘定科目に仕分けをし直して作成する必要があります。
なぜこのような作成方法の違いがあるかといいますと、作成する目的の違いがあげられます。
税理士さんがする決算報告(税務申告)は、税金を適切に処理するために作成します。
建設業の決算変更届は、建設業に関する財務状況を公開し、発注者が取引先の業績や財務状況等を確認できるようにすることが目的となります。
建設工事は、高額になることが多いため、発注者保護の視点から、毎事業年度終了後の4ヶ月以内に建設業を取り扱う役所に提出することを義務付けられているのです。
いかがでしたでしょうか。
今回は、建設業許可の決算変更届を提出する際の注意点についてご説明させていただきました。
建設業許可は取得したらはいおしまい、というわけではありません。
適切に許可を維持していくことがとても重要になります。
建設業許可を持っていれば社会的信用も上がり、事業を発展させていくこともできます。
この大切な建設業許可をしっかりと維持していきましょう。
もし許可を取得した後の決算変更届について難しいと感じるようなことがありましたら、行政書士などの専門家のサポートを受けることをご検討ください。手続きを円滑・確実に進めることができます。
もちろん依頼するための費用はかかりますが、自分自身でする場合の時間のロスや手間等がなくなり、本業に専念することが可能になります。